うれしいのに複雑。


今夜は。

何度も、何度も。
ぼくの方を見てくれるんだね。

お目当ては、ぼくじゃないって知ってるけど、
仕方ないね。ぼくから見ても、
今日の月くんは、かっこいいもん。

せめて、ぼくは、
闇に徹して、雲を吹き飛ばして、
きみが月くんを見つめる邪魔者を
消してあげるんだ。

「うわぁ、きれい!」
って、うっとりしているきみを見て、
すごくうれしいのに、
ちょっぴり淋しくなってしまうのは、
なぜだろうね。